行立ゆきた)” の例文
内儀「御覧よ、こういう心だもの、実に私も此のには感心してしまったが、お前幾干いくらお金があったら此の暮が行立ゆきたつんだよ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これに反して藩の方から手前達のような家来が数代すだい神妙に奉公してれたからこの藩も行立ゆきたつとう云えば、此方こっちまた言葉を改め、数代すだい御恩をこうむっ難有ありがた仕合しあわせに存じ奉ります
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一分や二分じゃア借りたってわっちの身の行立ゆきたつ訳は有りませんねえ、借金だらけだから些と眼鼻めはなを付けて私も何うか堅気かたきに成りてえと思ってお願い申すのだが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
借金もあるうちですから漸々だん/\行立ゆきたたなくなって、居候どころじゃアごぜえませんから、出てくれろと云われるのは道理もっともと思って出ましたが、ほかに親類身寄もありませんから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
賭博いたずらばかり烈しく致して居りますが、あすが日、親父の腰へ縄でも附きますような事がありますと、私も見てはいられませんが、漸々だん/\借財が出来まして、うしても此の暮が行立ゆきたたず
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是では何うも親子三人行立ゆきたたないので……世帯しょたいを持たしてんな商法でもさせたいと思ってもおっかさんが目が悪いんですから、と云って親の有る者は育児院では入れてはくれますまいから
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
友「詰らない事を云うぜ、お前ほんとうに死なゝけりゃア行立ゆきたたないかえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「あれも十九になります、お耻かしい事でありますが、詮方せんかたなしに身過世渡よすぎしも福田屋龍藏ふくだやりゅうぞう親分さんの処で抱えもすると云うので、行立ゆきたたぬから、今では小峰こみねと云って芸妓げいしゃになって居ります」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)