“葛藤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっとう90.2%
かつとう7.8%
もだくだ1.0%
もつ1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれどその時間の長短は、その人たちには実に余儀ない推移で、思いきりやあきらめでは到底満足されない生死の葛藤かっとうが無論あったはずだ。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
おごりと卑屈との対立から、平等に名をる闘争や、際限なき人間の欲望の葛藤かっとうが、永劫えいごうに血で血を洗いはじめるであろう。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも翌日の音楽会がこの青年の名声を決して高めないだろうとは、彼女は確信できなかったので、新進の明星スター葛藤かっとうを結びたくなかった。
ごらんなさい、総ての人間界の浅ましい葛藤かっとうのすべては、みんなこの所有という悪魔の巧妙な眩惑のわなにひっかかったその結果じゃありませんか。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もし橋畔きょうはんに立って、行く人の心にわだかまる葛藤かっとうを一々に聞き得たならば、浮世うきよ目眩めまぐるしくて生きづらかろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
愛に於ける一切の、葛藤かつとう紛紜ふんうん、失望、自殺、疾病しつぺい等あらゆる恐るべき熟字は皆婚姻のあるに因りて生ずる処の結果ならずや。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あの事件はそつちのためには不愉快では無かつただらうが、そつちを或る葛藤かつとうの中に引き入れたのは気の毒だと云つてある。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
もとより紛議ふんぎ葛藤かつとうおそるゝところでない、正理せいりわれにあるのだが
相互さうご權能けんのうえて領域りやうゐきをかとき其處そこにはかなら葛藤かつとうともなはれるはずでなければらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これも当時の地方に於て綱紀のやうやゆるんだことを証拠立てるものであるが、それは武蔵権守興世王と、武蔵介経基と、足立郡司判官武芝とが葛藤かつとうを結んで解けぬことであつた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
例の華かな高笑で今までの葛藤もだくだを笑い消してしまおうと思われる事が有る※が、固より永くは続かん※無慈悲な記憶が働きだしてこの頃あくたれた時のお勢の顔を憶い出させ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
アア偶々たまたま咲懸ッた恋のつぼみも、事情というおもわぬいてにかじけて、可笑しく葛藤もつれたえにしの糸のすじりもじった間柄、海へも附かず河へも附かぬ中ぶらりん、月下翁むすぶのかみ悪戯たわむれか、それにしても余程風変りな恋の初峯入り。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)