“紛紜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんうん31.9%
いざこざ29.8%
ふんぬん12.8%
いさくさ6.4%
もめごと4.3%
いきさつ2.1%
うんぬん2.1%
こぐらかり2.1%
ごたくさ2.1%
ごたごた2.1%
ごた/″\2.1%
もめ2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛に於ける一切の、葛藤かつとう紛紜ふんうん、失望、自殺、疾病しつぺい等あらゆる恐るべき熟字は皆婚姻のあるに因りて生ずる処の結果ならずや。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
植源の忙しい働き仕事や、絶え間のないそこのうちのなかの紛紜いざこざに飽はてて来たお島は、息をぬきに家へやって来ると父親にこぼした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
事緒じしょ紛紜ふんぬん物論ぶつろん喋々ちょうちょう、また文事をかえりみるにいとまあらず。ああ、これ、革命の世にのがるべからざるの事変なるべきのみ。
中元祝酒の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
家へ入ってからの母親との紛紜いさくさ気煩きうるささに、矢張やっぱり大きな如露をさげて、其方そっちこっち植木の根にそそいだり、可也かなりの距離から来る煤煙に汚れた常磐木ときわぎの枝葉を払いなどしていたが
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「へエ——、すると矢張り、田代屋一家内の紛紜もめごとではなくて、由井正雪、丸橋忠彌の殘黨が、田代屋に昔の怨みをかへす爲と考へたもので御座いませうか」
塞耳維セルビア土耳其トルコ紛紜いきさつから、もしか戦争でもおつぱじまるやうだつたら、筆一本でやかましく主戦論を吹き立てた人達だけで、別に中隊を組織して、一番前線にそれを使ふ事にしたい
世にはその境遇を問わず、道徳保安者の、死んだもののような冷静、無智、隷属、卑屈、因循をもってのりとし、その条件にすこしでも抵触すれば、婦徳を紛紜うんぬんする。しかし、人は生きている。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
貸や借の紛紜こぐらかりが複雑になっていたが、それはそれとして、身装みなりなどのめっきり華美はでになった彼女は、その日その日の明い気持で、生活の新しい幸福を予期しながら、病院の門をくぐった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お庄には深い事情の解りようもなかったが、牛込の自分の弟のところに母子厄介おやこやっかいになっている親爺おやじ添合つれあいや子供のことから、時々起る紛紜ごたくさが、その折も二人の間に起っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
雪江さんが相手の女主人公じょしゅじんこうで、紛紜ごたごたした挙句に幾度いくたびとなく姦淫するのを、あやふやな理想や人生観でまぎらかして、高尚めかしてすじりもじった物であったように記憶する。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其れが為め翁と政府との間に紛紜ごた/″\が起つて居るのを某某ぼうぼうの名士等が調停にはひつたと云ふ新聞記事が十日ばかり前に出た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
またまゝむすめ紛紜もめでもおこりましたのか、せまひとなれば何事なにごとくちには得言えいはで、たんとむねいたくするがひと性分しやうぶんこまりもので御座ござります、とてわざとの高笑たかわらひをしてかせれば
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)