“船唄”の読み方と例文
読み方割合
ふなうた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんな折には彼女はいつも海水着の上に大きなタオルをまとったまま、る時はともに腰かけ、或る時はふなべりまくらに青空を仰いで誰にはばかることもなく、その得意のナポリの船唄ふなうた
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
靜かに心を靜めて、この波のなす曲節を聞いて居ると、かの漁夫の集會の時に歌ふ「船唄ふなうた」の調子を思ひ出さずには居られなかつた。彼がこれを生んだと云つては餘りに牽強ではある。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
やまには木樵唄きこりうたみづには船唄ふなうた驛路うまやぢには馬子まごうた渠等かれらはこれをもつこゝろなぐさめ、らうやすめ、おのわすれて屈託くつたくなくそのげふふくするので、あたか時計とけいうごごとにセコンドがるやうなものであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)