管玉くだたま)” の例文
「将軍塚と申すので、南北朝時代の武将などの、遺物があると思いましたところ、曲玉まがたま管玉くだたまが出ようとは、ちと意外でございましたなあ」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なほ管玉くだたまうちでごくふるいものには、非常ひじようほそくて、直徑ちよくけい一分前後いちぶぜんごのものがおほいのでありますが、時代じだいがやゝくだりますと、だん/\ふとくなつてまゐります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「ほんとうですが、——ですが、実はあの琅玕ろうかんの代りに、珊瑚さんごの——その管玉くだたまを……」
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
埴輪はにわもここより出づ。また石斧石刀の類も出づ。蓮台野には蝦夷銭えぞせんとて土にて銭の形をしたる径二寸ほどの物多く出づ。これには単純なる渦紋うずもんなどの模様あり。字ホウリョウには丸玉・管玉くだたまも出づ。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「さていよいよ掘ってみて、曲玉まがたま管玉くだたまに出られたのでは、いささか失望にございますな」これは少年の声である。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
勾玉まがたまは、むかし非常ひじよう貴重きちようにされたものとえて、日本につぽんではひとつの古墳こふんからあまりたくさん發見はつけんせられません。これにはんして、わりあひにたくさんてくるのは管玉くだたまといふたまです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
掘り出された一個の石棺せきかんが、かれらの前に置かれてある。古風な刀剣、曲玉まがたま管玉くだたま、石棺の中に充ちている。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
むかし管玉くだたまのことをたかだまといつたのですが、それは竹玉たけだまといふ意味いみであつて、このあを碧玉へきぎよくもちひたのは、ちょうど青竹あをだけつて使つかつたのをまねたからだといはれてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「承われば岩石人ども、勾玉まがたま管玉くだたまを盗みましたとか、これは事実でございましょうな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「聞けばお前は双玉の原の、二人の巫女みこの宝物、勾玉まがたま管玉くだたまとを盗み取ったそうだな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
岩山の一角に出来ている! そうして美しい乙女達が泣きながら、「返せ」と叫んでいる! しかも盗まれた品物といえば、古風な勾玉まがたま管玉くだたまだという! そうして二人の乙女はといえば
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)