空言あだごと)” の例文
……それにいかにもお顔なりお姿なり、清く尊げに見えますことは……や、空言あだごとはさて置いて、これほどの恩こうむりました我が身、ご恩返さねばなりませぬ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それには答へで、好し好し、もはや灯火ともしびき人〻も皆夜食ゆふげを終へたるに、汝のみ空言あだごと言ひ居て腹の膨るゝやらん、まづ/\飯食へと云ひて其竿を見るに、これもなか/\あしからぬ竿なり。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)