秘術ひじゅつ)” の例文
旧字:祕術
と地だんだんでにらみつけたが、へだては海——それもはや模糊もことして、遠州灘えんしゅうなだなみがくれてゆくものを、いかに、龍太郎でも、飛んでゆく秘術ひじゅつはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしも、けますから、あなたも、あのれるまりをつかまえなさる秘術ひじゅつおしえてくださいませんか?
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこであるとき、巫女みこんで、どうしたら自分じぶん長生ながいきができるだろうかとわれたのであります。巫女みこ秘術ひじゅつをつくしててんかみさまにうかがいをたてました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いっさんにかけだしてきたのは伊那丸いなまる咲耶子さくやこ、そうほうバッタリと出会いながら、ものをいわず七、八ごうやりと太刀の秘術ひじゅつをくらべて斬りむすんだが、たちまち、うしろから足助主水正あすけもんどのしょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとき、たびからきた上手じょうずうらなしゃがありました。そのおとこは、過去かこいっさいのことをあてたばかりでなく、未来みらいのこともいっさいを秘術ひじゅつによってあてたのでありました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おお、それこそ竹童ちくどうがなやまされた蚕婆かいこばばあ秘術ひじゅつ吹針ふきばりの目つぶしだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おつは、どうかして、こう秘術ひじゅつまなべぬものかとおもいました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)