まみ)” の例文
彼は涙ぐみて身をふるはせたり。その見上げたるまみには、人にいなとはいはせぬ媚態あり。この目の働きは知りてするにや、又自らは知らぬにや。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
亡き母の憶ひが優しまみつむり叱られしことの食器鳴らしぬ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
さしぐむまみうるほひに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
夫人は伯よりおいたりと見ゆるほどに起居たちい重けれど、こころの優しさまみの色に出でたり。メエルハイムをかたわらへ呼びて、何やらむしばしささやくほどに、伯。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
雪見とはかなしき独りのうたげかもまばたきをするまみの冷き
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
この青く清らにて物問ひたげに愁を含めるまみの、半ば露を宿せる長き睫毛に掩はれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
この青く清らにて物問ひたげにうれひを含めるまみの、半ば露を宿せる長き睫毛まつげおほはれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この青く清らにて物問いたげにうれいを含めるまみの、半ば露を宿せる長き睫毛まつげおおわれたるは、何故なにゆえに一顧したるのみにて、用心深きわが心の底までは徹したるか。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
夫人は伯よりおいたりと見ゆるほどに起居たちい重けれど、こころの優しさまみの色にいでたり。メエルハイムをかたわらへ呼びて、なにやらんしばしささやくほどに、伯。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かの善くものいふまみをよそにしては、外の姫たちに立ちこえて美しとおもふところもなく、まゆの間にはいつもしわ少しあり。面のいろのあおう見ゆるは、黒き衣のためにや。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は涙ぐみて身をふるわせたり。その見上げたるまみには、人にいなとはいわせぬ媚態びたいあり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)