添臥そいぶし)” の例文
していた身には、私のような田舎者はきっとお嫌いでしょう。かの御所などでは、なんの中将とかなんの宰相とかいう方と添臥そいぶし
浪の音にはれた身も、とりに驚きて、添臥そいぶしの夢を破り、かどきあけてくまなき月に虫の音のすだくにつけ、夫恋しき夜半よわの頃、寝衣ねまきに露を置く事あり。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
文治郎元より一命をなげうっても人の為だ、わしがお前と一度でも添臥そいぶしすればお前はもうへ縁付くことは出来ぬ、十七八の若い者、生先おいさき永き身の上で後家を立てるようなことがあっては如何いかにも気の毒
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その疲れ果ててほっと一息くと綿のようになる体で、お絹は添臥そいぶしをしたのである。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
毎日少しずつふくみ洗いいたし候ては、おかみさんと私とにて毎夜添臥そいぶし※。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて添臥そいぶししたまひし、さきに水を浴びたまひしゆえにや、わがはだをりをり慄然りつぜんたりしが何の心もなうひしと取縋とりすがりまゐらせぬ。あとをあとをといふに、をさな物語ふたツ聞かせたまひつ。やがて
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
やがて添臥そいぶししたまいし、さきに水を浴びたまいし故にや、わがはだおりおり慄然りつぜんたりしが何の心ものうひしと取縋とりすがりまいらせぬ。あとをあとをというに、おさな物語二ツ三ツ聞かせたまいつ。やがて
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)