歴然れきぜん)” の例文
修復しゆふく度毎たびごと棟札むねふだあり、今猶歴然れきぜんそんす。毘沙門の御丈みたけ三尺五六寸、往古わうご椿沢つばきざはといふ村に椿の大樹たいじゆありしを伐て尊像そんざうを作りしとぞ。作名さくめいつたはらずときゝぬ。
一足飛びに走り出てみると、果たして台所の土間どまが雪に汚れて、何ものかの忍びこんだ形跡ぎょうせき歴然れきぜん
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
わが子一枝(カズエ)、一日ごとに変化のちょう歴然れきぜんたるものあり。成長に向う変化である。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
いまはそれ/″\適當てきたう位置いち配置はいちされて、すでに幾度いくたび作用さようをなした形跡けいせき歴然れきぜんえる。
二十センチほどの直径のことだから、どんなに油汗あぶらあせを流してみても、身体が通りゃしない。それだのに犯人の入った証拠は、歴然れきぜんとしているのだ。こんな奇妙なことがあるだろうか
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
証拠しょうこ歴然れきぜん、そこに落ちている神額の中板なかいたの「白鳥霊社しらとりれいしゃ」のれいという文字を見ごとにきさしていた一本の! 見るまでもないが手にとってみると、はたしてさいぜんの試合しあい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女性の特徴たる乳房その他の痕跡こんせき歴然れきぜんたり、教育の参考資料だという口上にきつけられ、ゆがんだ顔で見た。ひそかに抱いていた性的なものへの嫌悪に逆に作用された捨鉢すてばちな好奇心からだった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
殺さず共是迄に何か惡事が有か但し前世ぜんせで人でも殺したる因果いんぐわむくいなるべし然すれば何もくやむには及ばず皆是因果の歴然れきぜんなり雜法轉輪ざつはふてんりんあきらめよと言るゝに三五郎は押返し然樣さやうでも御座らんが其處そこが御出家しゆつけの役くびの座へすわる者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
修復しゆふく度毎たびごと棟札むねふだあり、今猶歴然れきぜんそんす。毘沙門の御丈みたけ三尺五六寸、往古わうご椿沢つばきざはといふ村に椿の大樹たいじゆありしを伐て尊像そんざうを作りしとぞ。作名さくめいつたはらずときゝぬ。
同時にかれは、寒さ以外のものを襟頸えりくびに感じて慄然ぞっとした——物凄いとも言いようのない左膳の剣筋を、そして、狂蛇のようなその一眼を、源十郎は歴然れきぜんと思いうかべたのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
最後さいごの勝負、遠駆とおがけのおりに、あの大鳥居おおとりいをめあてとしてけさせ、そうほう、その矢を持ちかえってくるとしたらどうであろうか。——とすれば、同時に遠矢とおや勝敗しょうはい歴然れきぜん分明ぶんみょういたすことになる
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
罪状歴然れきぜん。軍法に依ってここに正す。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)