“歪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆが91.3%
ひず2.2%
いびつ1.4%
1.1%
ゆがみ0.9%
ひずみ0.7%
いび0.7%
ひね0.4%
いが0.2%
くぼ0.2%
ねじ0.2%
ひづ0.2%
ひづみ0.2%
ヒズ0.2%
ベベル0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒼白あおじろい、仮面のような顔に、ゆがんだ嘲笑が、刻みつけられでもしたように動かず、血ばしった眼は、けものめいた光りを放っていた。
やぶからし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
すべての知覚が、方向をもった力の関係に置かれること、この知覚のひずみが「感情」であるということは私たちに示唆深いものがある。
美学入門 (新字新仮名) / 中井正一(著)
道頓堀川の暗い流れに、「オリンピア」のネオンサインの灯影がいびつになって、しきりに点滅していた。寒々としたながめだった。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
津の茅原はそのとき胸板むないたのところに、があっと重いものを打ちあてられ、前屈まえかがみにからだを真二つにげてしまった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かれは為方しかたなしに舟をもと来た水脈の上にしずかに戻した。かれの顔容は寂しいゆがみをもちながら、目は桃花村の方にそそがれていたのである。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
これらの大地震によって表明される地殻ちかくひずみは、地震のない時でも、常にどこかに、なんらかの程度に存在しているのであるから
怪異考 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
つぶれた鼻に、いびつな耳、一目でボクサアとわかる、その男は、あまりにも、みすぼらしい風体ふうていと、うつろなひとみをしていました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
舊くなつた樹々は、この同じ手の幾世紀もの努力の下に、背を屈めてゐて、ひねりくねつて伸びてゐた。
それはすきに寄りかかる癖があるからで、それでまた左の肩を別段にそびやかして歩み、体格が総じていがんで見える。ひざのあたりを格別にひろげるのは、刈り入れの時、体躯からだのすわる身がまえの癖である。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
その夜中から村人を狩集めて、隊士が手伝って、村外れに小さい、くぼんだ所をこしらえた。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
今少し辛抱しなくちゃいけない。今に一人前にしてやるから。これできりを使うことは中々難しいんだ。頭がねじけないでしっかりしていないと鑽は真直にはいらないものだ。性根を
少年の死 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
原罪のふとい映像にうち貫かれた両の眼に、みじろぎもなく、氷雪いちめんの深いひづみをたたえて秘かに空しくあれば、清浄といふ、己はもうあの心にも還る事はできないのだ。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
生得しやうとくひづみ悉皆消散せる
深夜の道士 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
六十歳に近づくと、どんなに美しく、豊満な輪廓を持つた女形でも、まづまぶたが落ち皺み、次いで頬がヒズみ、どうしても若女形の役どころなどには、ソグはぬやうになつて来る。