旋頭歌せどうか)” の例文
旋頭歌せどうかといふものに發達はつたつしてくと同時どうじに、片歌かたうた自身じしんが、短歌たんかつくげるように、次第しだいに、おんかずし、内容ないよう複雜ふくざつになつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
長歌・短歌・旋頭歌せどうかがそれである。長歌は57の句が繰り返されて7の一句で閉じるのが一ばん整った形だが、もっとととのわないのもある。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
旋頭歌せどうかで、人麿歌集所出である。一首の意は、新しく家を造るために、その地堅め地鎮の祭を行うので、大勢の少女おとめ等が運動に連れて手飾てかざりの玉を鳴らして居るのが聞こえる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ところが一方、古く、片哥と旋頭歌せどうかを標準の形とした歌垣の唱和が、一変して短歌を尊ぶ様になって、ここに短歌は様式が定まったのである。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
此処に、柿本人麿歌集に出づという旋頭歌せどうかが二十三首あるが、その一首だけ抜いて見た。旋頭歌は万葉にも数が少く、人麿でも人麿作と明かにその名の見えているのは一首も無い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なかには旋頭歌せどうかが、まだ片歌かたうた一組ひとくみであつたとき姿すがたを、のこしてゐるものすらあります。やはり萬葉集まんにようしゆう
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
わたしはなしは、短歌たんかのみならず、日本につぽんうた大凡おほよそわたつて、知識ちしきをおけしたいとおもふのですから、こんなことから、はじめたわけです。それで一口ひとくちだけ、旋頭歌せどうかについてまをしませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)