拜借はいしやく)” の例文
新字:拝借
拜借はいしやく仕つり度是迄推參すいさん候といふに強慾がうよく無道ぶだうの天忠和尚滿面まんめんゑみふくみ夫は重疊ちようでふの事なりさてわけは如何にと尋ぬるに大膳はひざすゝめ聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少年行せうねんかうまへがきがあつたとおもふ……こゝに拜借はいしやくをしたのは、紅葉先生こうえふせんせい俳句はいくである。ところが、そのつれてとある春着はるぎがおなじく先生せんせい通帳おちやうめん拜借はいしやくによつて出來できたのだからめうで、そこがはなしである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
引出ひきだしのぶん拜借はいしやくいたし候 石之助いしのすけ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
列座れつざ方々かた/″\、いづれもかね御存ごぞんじのごとく、それがし勝手かつて不如意ふによいにて、すで先年せんねん公義こうぎより多分たぶん拜借はいしやくいたしたれど、なか/\それにて取續とりつゞかず、此際このさい家政かせい改革かいかくして勝手かつてとゝのまをさでは、一家いつかつひあやふさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
拂ひ何ぞ紛失ふんじつの物はなきやと吟味ぎんみに及ぶところ豫々かね/″\大切にせし脊負葛籠せおひつゞらの無は盜まれたりと覺えしと云時夫は昨日夕方に彦兵衞殿參られ御隱居樣ごいんきよさまに願ひお金の代りに四五日拜借はいしやくしてゆかれしと下女がことばは又如何の譯成わけなりと問ば昨日彦兵衞殿金子の無心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく、父親ちゝおやほんる、炬燵こたつはし拜借はいしやくし、母親はゝおや看經かんきんするうしろから、如來樣によらいさまをが身分みぶん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)