“悄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しお48.1%
しょ34.6%
しよ8.3%
しを3.8%
しほ1.5%
しょんぼ0.8%
しよん0.8%
しょん0.8%
0.8%
やつ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりは輝元の前を辞して各〻の陣所へ帰ったが、途々みちみちも元春がしおれているていなので、隆景は弟として、すまない気がしてならなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誇るに西洋料理七皿をもってする、かたのごとき若様であるから、冷評ひやかせば真に受ける、打棄うっちゃって置けばしょげる、はぐらかしても乗出す。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兜町かぶとちやうの仲買屋に書記が入用との話ゆゑ、行つて見るとう新しい人が入つて居た。「運の悪い時は何所まで行つても駄目です。」としよげ切つて居る。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
泥濘ぬかるみへば、まるでぬまで、構内こうないまで、どろ/\と流込ながれこむで、其処等そこらめん群集ぐんしふ薄暗うすぐらみなあめしをれてた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
屹度上手なのだらうとは誰も思ふ事だが、ういふものか、菊五郎は滅多に獲物をげて帰らない。きにはいそ/\勇んでゐるがかへりにはすご/\しほれてゐる場合が多い。
広い会所の中は揉合うばかりの群衆ぐんじゅで、相場の呼声ごとに場内は色めきたつ。中にはまた首でもくくりそうな顔をして、冷たい壁にしょんぼもたれている者もある。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
ついそこらの近い木立の間にも黒い蔭が濃くなつて、そちこちの間遠まどほな瓦斯燈の灯が、しよんぼりと夜の色になりかけてゐる。あたりは見る/\暗くなつて行くやうに見える。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
その蟷螂さんと対局して、今、賭けておいた幾らかの金を取られ、しょんぼりと、もう石をくずした盤を、いつ迄、未練げに眺めていたのは、浮世絵師の喜多川春作きたがわしゅんさくだった。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貧にやつれ疲れ、とげとげとぎたった血の気のない頬にともしい笑いをうかべながら、じろりと閣室を見あげて行く。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やつれたかの女のまえに、庄吉の呼んできた医者が、すわっていた。
あの顔 (新字新仮名) / 林不忘(著)