“悄沈”の読み方と例文
読み方割合
しょうちん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
意気悄沈しょうちんした狂信者ニコライの虚偽の自白があったために、事件が並々ならず紛糾していた上、真犯人に対して明白な証拠どころか
幼い時から彼は、あらゆる艱難かんなんに黙って堪えてゆく雄々しい忍従的な彼女の姿を、いつも見慣れていた。そして今のその悄沈しょうちんしたさまが、彼には心配だった。
それはわたくしの意識をして、今にして夢より覚めたように感ぜしめ、また、新なる夢に入るもののようにも感ぜしめた。肉体の悄沈しょうちんなどはどこかへ押し遣られてしまった。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)