しょんぼ)” の例文
広い会所の中は揉合うばかりの群衆ぐんじゅで、相場の呼声ごとに場内は色めきたつ。中にはまた首でもくくりそうな顔をして、冷たい壁にしょんぼもたれている者もある。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
私は暗い路ばたにしょんぼり佇んで、独り涙んでいたが、ふと人通りの途絶えた向うから車のわだちが聞えて、提灯ちょうちんの火が見えた。こちらへちかづいてくるのを見ると、年の寄った一人の車夫が空俥からくるまを挽いている。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)