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待兼
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まちかね
ふりがな文庫
“
待兼
(
まちかね
)” の例文
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
定
(
さだ
)
めて
淋
(
さび
)
しく、
待兼
(
まちかね
)
て
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
だらうと、
思
(
おも
)
つたので、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げて、
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
に
决
(
けつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
呂昇の上京は、いまこそ来ぬうちから
待兼
(
まちかね
)
られるが、廿五歳で出て来たおりには十銭の木戸で、それでも思ったほどの客足はなかったのである。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
車屋との悶着を黙って
衝立
(
つッた
)
って視ていた女が、其が済むのを
待兼
(
まちかね
)
たように、
此方
(
こっち
)
へ来いというから、
其跟
(
そのあと
)
に
随
(
つ
)
いて玄関の次の薄暗い
間
(
ま
)
へ入ると
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
顯
(
あらは
)
し
日來
(
ひごろ
)
の無念を晴し呉れんと
直樣
(
すぐさま
)
御殿へ走り行き只今
急用
(
きふよう
)
有て參りたり早々喜内樣に御目に
懸
(
かゝ
)
りたしと云入けるに
頓
(
やが
)
て喜内は何事成哉と立出るを吾助は
待兼
(
まちかね
)
て聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ミッセスが最前からお
待兼
(
まちかね
)
です。と云って曙色になった頬に微笑を浮べて私を迎える。いまでは日本食の宴も半ば過ぎてテーブルを囲んだ人々の間を土人街の女が酒盃をみたしてまわっていた。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
▼ もっと見る
「いや大変なお
待兼
(
まちかね
)
だよ。継子さんはどうしたろう、どうしたろうって」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主翁は書生が帰ったので、
待兼
(
まちかね
)
ていて
盃
(
さかずき
)
を持ったところであった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
近「御前様もお
待兼
(
まちかね
)
でいらせられます、
直
(
す
)
ぐお通り下さりませ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
みんな倒れました、それがいちどきにでしたから気になって、夜の明けるのを
待兼
(
まちかね
)
てそこらを見ますと、息子の大切にしていた
鉢植
(
はちうえ
)
——盆栽ものが、みんな
倒
(
たおれ
)
ている。
人魂火
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
サア、
賓客
(
おきやくさん
)
、もう
暗
(
くら
)
くなりましたぜ、
大佐閣下
(
たいさかくか
)
もひどくお
待兼
(
まちかね
)
で、それに、
夕食
(
ゆふしよく
)
の
御馳走
(
ごちさう
)
も
悉皆
(
すつかり
)
出來
(
でき
)
て、
料理方
(
れうりかた
)
の
浪三
(
なみざう
)
めが、
鳥
(
とり
)
の
丸燒
(
まるやき
)
が
黒焦
(
くろこげ
)
になるつて、
眼玉
(
めだま
)
を
白黒
(
しろくろ
)
にして
居
(
ゐ
)
ますぜ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
聞
(
きい
)
て大いに驚き
色
(
いろ
)
蒼然
(
あをざめ
)
て
控
(
ひか
)
へ居たり時に後藤半四郎は
今日
(
けふ
)
呼出
(
よびだ
)
しに付先刻より
呼込
(
よびこみ
)
あるを今や/\と
待兼
(
まちかね
)
たるゆゑ直樣浪人臺へ罷り
出
(
いで
)
一向
容體
(
なりふり
)
にも構はず控へたり
然
(
さ
)
れば久兵衞は半四郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜
(
よ
)
の明けるのを
待兼
(
まちかね
)
て白翁堂の
宅
(
うち
)
へやって参り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
合せたゞ
吐息
(
といき
)
のみ
吐
(
つき
)
ゐたりぬ
斯
(
かゝ
)
る所ろへ
管伴
(
ばんたう
)
の忠兵衞外より歸り來り居間へ至るに長左衞門は
待兼
(
まちかね
)
たりし
風情
(
ふぜい
)
にてオヽ忠兵衞か
遲
(
おそ
)
かりし
和郎
(
そなた
)
は此家に長の年月
勤
(
つとめ
)
て居て今にては
管伴
(
ばんたう
)
とまで用ゐらるゝ
身
(
み
)
で有る故に大事の/\
一個息子
(
ひとりむすこ
)
へ取る
嫁
(
よめ
)
も
吾儕等
(
わしら
)
三個
(
みたり
)
は
皆目
(
かいもく
)
見ず和郎に
任
(
まか
)
した今度の一
件
(
けん
)
それを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
兼
常用漢字
中学
部首:⼋
10画
“待兼”で始まる語句
待兼顔