“座席”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
シート50.0%
ざせき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫人はその青年のために、座席シートを取つて置いたかのやうに、自分の右に置いてあつた小さなトランクを取り除けた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
車は一大音響をあげて上下左右へ跳ねあがり、僕は座席シートに座っているのか、それとも空間に宙ぶらりんになっているのか、いずれとも判じかねた。遂に僕は胆を潰して叫んだ。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
座席ざせきの片隅へ小さくなったまま、すっかりしょげかえって、窓越しに、うしろへ飛び去って行く郊外近い街の屋根々々を、ションボリ見詰めつづけるのだった。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
英雄えいゆうは、面倒めんだうくさい座席ざせきになどかたづくのでない。自動車じどうしや免許取めんきよとりだから、運転手台うんてんしゆだいへ、ポイとあがると、「いそげ。」——背中せなかを一つ引撲ひつぱたいきほひだから、いや、運転手うんてんしゆばしたこと
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)