年始ねんし)” の例文
かじやさんはまちへご年始ねんしにいきました。おさけをたくさんいただきまして、いい気持きもちでむらへかえってきました。途中とちゅうがくれてしまいました。
村のかじやさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
A 大隈侯おほくまこうまへ正月しやうぐわつ受取うけとつた年始ねんし葉書はがき無慮むりよ十八まん五千九十九まいで、毎日々々まいにち/\郵便局いうびんきよくからだいぐるまはこびこんだとふが、隨分ずゐぶんきみエライもんぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
いま、将軍吉宗に拝して、年始ねんしの礼を述べて来たところである。年の変ったゆったりした気もちが、何か冗談の一つもいいたいように、二人の胸を軽くしていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
つきに一いま半年目はんとしめ、一ねん年始ねんしぜう暑中見舞しよちうみまい突際つきあいになりて、文言もんごんうるさしとならば端書はがきにてもことるべし、あはれ可笑をかしとのきばのさくらくるとしわらふて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのうちにはあけて、一がつ一日ついたち年始ねんしのあいさつにきた人々ひとびとに、諭吉ゆきちはいいました。
もつとふるつてたのは三十六ねんぐわつ元旦ぐわんたんで、此日このひ年始ねんし幻花子げんくわしは、掘初ほりぞめをするとつてたゞ一人ひとり出掛でかけたのを、あとから、靜灣せいわん佳水かすゐ天仙てんせん望蜀ぼうしよく古閑こかん狹衣さごろも活東くわつとうの七にん評議ひやうぎうへ
大隈侯おほくまこうひとりのぶんがそれだけあるとすれば、日本全國にほんぜんこく使つかはれる年始ねんし葉書はがき大變たいへんかずだらうなア。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
学校がっこうからかえると、おとうさんが、「今年ことしから、おまえが、年始ねんしにおまわりなさい。」といって、おとうさんの名刺めいしを四まいわたしなさった。そうだ、ぼくは、十二になったのだ。
ある少年の正月の日記 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何處どこへお客樣きやくさまにあるいてたのと不審ふしんてられて、取越とりこしの御年始ごねんしさと素知そしらぬかほをすれば、うそつてるぜ三十日みそか年始ねんしけるうちいやな、親類しんるゐへでもきなすつたかとへば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)