崖地がけち)” の例文
東京はその市内のみならず周囲の近郊まで日々にちにち開けて行くばかりであるが、しかし幸にも社寺の境内、私人しじんの邸宅、また崖地がけちみちのほとりに、まだまだおびただしく樹木を残している。
もなく一つのけわしいさかのぼりつめると、其処そこはやや平坦へいたん崖地がけちになっていました。
わたくしはどこに一てん申分もうしぶんなき、四辺あたり清浄せいじょう景色けしき見惚みとれて、おぼえず感歎かんたんこえはなちましたが、しかしとりわけわたくしおどろかせたのは、瀑壺たきつぼから四五けんほどへだてた、とある平坦たいら崖地がけちうえ
ついこの間も麻布網代町辺あざぶあみしろちょうへんの裏町を通った時、私は活動写真や国技館や寄席よせなぞのビラが崖地がけちの上から吹いて来る夏の風にひるがえっている氷屋の店先みせさき、表から一目に見通される奥の間で十五
私たちは旧造兵廠の建物の一部をば眼下に低く見下みおろ崖地がけちの一角に、昼なお暗く天を蔽うた老樹の根方ねがたと、また深く雑草にうずめられた崖の中腹に一ツ二ツ落ちころげている石を見つけたばかりである。