“宿酔”のいろいろな読み方と例文
旧字:宿醉
読み方割合
ふつかよい73.0%
しゅくすい14.3%
ふつかよ4.8%
ふつかよひ3.2%
しゆくすゐ1.6%
ふつかえい1.6%
わるよい1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のうち一間のほうには、お十夜孫兵衛、宿酔ふつかよいでもしたのか、蒼味あおみのある顔を枕につけ、もう午頃ひるごろだというに昏々こんこん熟睡じゅくすいしている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが今日は生憎あいにく早暁そうぎょうからの曇りとなった。四方よもの雨と霧と微々たるしずくとはしきりに私の旅情をそそった。宿酔しゅくすいの疲れも湿って来た。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
私は宿酔ふつかよいと空腹で、ヒョロヒョロしている体を立たせて、ありったけの米を土釜に入れて井戸端に出て行った。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「いや、俺のこの宿酔ふつかよひの頭では、一杯ひつかけてから行かなければ、とても相談にはのられやしないぞ」
たゞ宿酔しゆくすゐなほ残つて眼の中がむづゝく人もあらば、羅山が詩にした大河の水ほど淡いものだから、かへつて胃熱を洗ふぐらゐのことはあらうか。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
然しそれよりも、低能と罵っている人間に反抗するために、酒を飲んで唄を謳って、宿酔ふつかえいで苦しんでいる自分のしたことが、馬鹿らしく思われたからであった。
恨なき殺人 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
「まだ、きのうの酔いが、宿酔わるよいとなって、よくお醒めになっていないらしい」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)