たてま)” の例文
このおんなの日頃ねんじたてまつる観音出でて僧とげんじ、亡婦ぼうふの腹より赤子をいだし、あたりのしずにあづけ、飴をもつて養育させたまひけり。
小夜の中山夜啼石 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
切害仕り候にいさゝか相違無之これなく恐入おそれいりたてまつり候之に依て如何樣の御仕置に仰付られ候とも御領主樣ごりやうしゆさまへ對し御恨おんうらみは少も御座なく候以上
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
神よ、オオ神よ、日々年々のこの婢女しもめの苦痛を哀れと見そなわし、小児こどもを側に、臨終をとげさせ玉うを謝したてまつる。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
女性の暴君とたてまつらなければならない地位にあった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前へめされ汝必ず輕擧はやまる事なかいまだ其者刑罰けいばつに行はざれば再應さいおう取調とりしらべ此後とて出精しゆつせい相勤あひつとむべしと上意有しかば大岡殿御仁ごじん惠の御沙汰さたかしこまりたてまつると感涙かんるゐを流され御前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一昨夜亥刻よつどき前淺草阿部川町了源寺れうげんじ切手を持參致し所化僧しよけそう一人檀家三人差添さしそへ棺桶くわんをけおくり越候處掛あひ中右棺桶を置捨おきすてに致し候間相改ため候に女の死骸しがいにて變死へんしまぎれ御座なく候依て御檢使けんし願ひたてまつり候以上いじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)