圖星づぼし)” の例文
新字:図星
あれは成程圖星づぼしだ、後ですつかり恐れ入つたぜ、——後ろ暗いところのある人間なら、後も振り向かずに歸るつてことはない。
それでは美登利みどりさんがいのであらう、さうめて御座ござんすの、と圖星づぼしをさゝれて、そんなことものか、なん其樣そんこと、とくるりうしろいてかべこしばりをゆびでたゝきながら
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見事みごと圖星づぼし射中いあてたといふ弓取ゆみとりのキューピッドになんとか綽號あだなでもけさっしゃい。
わたしはをとこ片附かたづけてしまふと、今度こんどまたをんなところへ、をとこ急病きふびやうおこしたらしいから、てくれとひにきました。これも圖星づぼしあたつたのは、まをげるまでもありますまい。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なん圖星づぼしであらうが?……(ロミオらに對ひ)ようこそ! 吾等われらとても假面めんけて、美人びじんみみりさうなはなしさゝやいたこともござったが、あゝ、それは過去むかしぢゃ、とほい/\過去むかしぢゃ。
圖星づぼしツ、親分のめがねは曇らねえな」
「それ見ろ、圖星づぼしだらう」