嚴重げんぢう)” の例文
新字:厳重
雨蛙あまがへる青蛙あをがへるが、そんなはなわざはしなからうとおもつたが——勿論もちろん、それだけに、ふた嚴重げんぢうでなしにすきがあればあつたのであらう。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
錢屋方へつかはさる兩人の與力は旅館に到り見るに嚴重げんぢうなる有樣なれば粗忽そこつの事もならずとまづ玄關げんくわんに案内をこひ重役ぢうやくに對面の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その上、恐ろしく嚴重げんぢうな造りで、かすがひまで打つてありますから、一方がはづれたのでないことは、たつた一目で判ります。
勘次かんじはどれほど嚴重げんぢうにしてもおつぎがかはやかよ時間じかんをさへせまにはなかはなつことをこばむことは出來できなかつた。執念深しふねんぶかい一にん偶然ぐうぜんさういふ機會きくわい發見はつけんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それより洞中どうちゆう造船所ぞうせんじよないのこくまなく見物けんぶつしたが、ふとると、洞窟どうくつ一隅いちぐうに、いわ自然しぜんえぐられて、だいなる穴倉あなぐらとなしたるところ其處そこに、嚴重げんぢうなるてつとびらまうけられて
ちやうど此の日の前夜ぜんやも、周三は、父から結婚問題に就いて嚴重げんぢう談判だんぱんツたのであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
箱番所はこばんしよの者共よりせいさせける是則ち天一坊さまの御座所ととなへて斯の如く嚴重げんぢうかまへしなり又天忠は兩人の下男に云付る樣は天一坊御事は是迄は世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一人彼是申こばむは重役をないがしろに致す所行しよぎやうことに再吟味は天下の大法たいはふそむあひだ相成ぬとの上意なりと嚴重げんぢうにこそ申渡しける越前守ははつとばかり御受を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)