おれ)” の例文
あれは憎い、憎い奴だから殺したいということなら、おれも了簡のしようがあるが、(死んでくれりゃ可い。)は実に残酷だ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清「これ長二手前てめえ能くおれこせえた棚を毀したな、手前は大層上手になった、己の仕事に嘘があるとは感心だ、何処に嘘があるか手前の気の付いた所を一々其処で云って見ろ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うむ、おれを。お貞、ずるい根性を出さないで、表向おもてむきに吾を殺して、公然、良人殺しの罪人になるのだ。お貞、良人ころしの罪人になるのだ。うむお貞。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前刻さっきおれが聞いた時も、いひやうもあらうものを、敵情なんざ聞かうとも、見やうとも思はなかつたは、実に驚く。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(お貞、おれも環にゃ血を分けたもんだがなあ。)とさもなさけなそうに言ったのには、私もたまらなく気の毒だったよ。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「主人も糸瓜へちまもあるものか、おれは、何でも重隆様のいいつけ通りにきっと勤めりゃそれでいのだ。お前様めえさまが何と謂ったって耳にも入れるものじゃねえ。」
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うんや、そうやすやすとはれねえだ。旦那様のいいつけで三原伝内が番するうちは、敷居もまたがすこっちゃあねえ。たって入るならおれを殺せ。さあ、すっぱりとえぐらっしゃい。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
残念ながら分らなかったというならまだもじょすべきであるに、先に将校にしらべられた時も、前刻さっきおれが聞いた時も、いいようもあろうものを、敵情なんざ聞こうとも、見ようとも思わなかったは
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このをめざしてからに、何遍も探偵がって来るだ。はい、麻畑と謂ってやりゃ、即座に捕まえられて、おれも、はあ、の目も合わさねえで、お前様を見張るにも及ばずかい、御褒美ももらえるだ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「誰が人に頼まれるもんか。おれ了簡りょうけんで吾が聞くんだ。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「誰が人に頼まれるもんか。おれの了簡で吾が聞くんだ。」
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)