デスク)” の例文
父は、さう叫びながら、手近にあるデスクの端を力委せに二三度打つた。瑠璃子には、父が貴族院の演壇で獅子吼する有様が、何処となく偲ばれた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
と、デスクほうり出した。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父は、そう叫びながら、手近にあるデスクの端を力まかせに二三度打った。瑠璃子には、父が貴族院の演壇で獅子吼ししくする有様が、何処どことなくしのばれた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
美奈子が、小切手帳を持つて来ると、荘田は、傍の小さいデスクの上にあつた金蒔絵の硯箱を取寄せて不器用な手付で墨を磨りながら、左の手で小切手帳を繰拡げた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
美奈子が、小切手帳を持って来ると、荘田は、かたわらの小さいデスクの上にあった金蒔絵まきえ硯箱すずりばこを取寄せて不器用な手付で墨をりながら、左の手で小切手帳を繰ひろげた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その裡に、ふと三尺とは離れてゐないデスクの上に、眼が付いた。其処には、先刻信一郎が受け取つたのと同じ色のレタアペイパアと、金飾の華やかな婦人持の万年筆とが、置かれてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
そのうちに、ふと三尺とは離れていないデスクの上に、眼が付いた。其処そこには、先刻信一郎が受け取ったのと同じ色のレタアペイパアと、金飾の華やかな婦人持の万年筆とが、置かれていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)