“卓布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たくふ33.3%
テーブルクロース22.2%
ナップ22.2%
クロス11.1%
テーブルかけ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その晩私は先生と向い合せに、例の白い卓布たくふの前にすわった。奥さんは二人を左右に置いて、ひとり庭の方を正面にして席を占めた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
食卓は約束通り座敷のえん近くに据えられてあった。模様の織り出された厚いのりこわ卓布テーブルクロースが美しくかつ清らかに電燈の光を射返いかえしていた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どういうわけか、卓布ナップのかかったテーブルでジャガイモと隣りあったことがなかったが、きょうはふしぎな縁でめぐりあうことになった。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
客間はうの昔に、すっかり片づけられ、例の豪勢な羽根蒲団も姿を消して、長椅子の前には卓布クロスを掛けたテーブルが据えてあった。その上へ手箱を持ちあげたまま、彼は暫らく息を休めた。
しばらく動かずにいらつしやい、動くと卓布テーブルかけからからだが外れて往來から見えますから、だいぶ暗くなつて來たでせう。さあ、あんなに永い間わたくしをおもつて下すつたお禮を
はるあはれ (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)