“千(ち)” の例文
わたつみの海の千(ち)ひろの底にしておのずからわが身にふさえる家をもち、ほどよい青の光の国に、あるいは螺鈿(らでん)の穹窿(きゅうりゅう)のしたに、またはひとつ柱の迷宮のうちに
小品四つ (新字新仮名) / 中勘助(著)
あきれるよ良人(やど)があり過て当りの附かない方じゃないか、千(ち)いちゃんじゃア有るまいしとともに笑った。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「ああ、千(ち)いちゃんは、……」とジュリアは白い腕を頭の方にあげて何か考えているようだったが
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
機(はた)の陰へ、俯(う)ッ伏(ぷ)したのであった。平次郎が振り下ろした手斧(ちょうな)の刃は、その機(はた)に懸(か)けてある千(ち)すじの糸をばらばらに切ったので、糸は蜘蛛(くも)の巣のように、彼の体にもお吉の髪の毛にも乱れかかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の約(ちかひ)にたがふものならば、賢弟吾を一〇〇何ものとかせんと、ひたすら思ひ沈めども遁(のが)るるに方なし。いにしへの人のいふ。一〇一人一日に千(ち)里をゆくことあたはず。魂(たま)よく一日に千里をもゆくと。
そとの浜千(ち)さとの目路(めじ)に塵(ちり)をなみすずしさ広き砂上(すなのうえ)の月
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
絽の蚊帳の波の色する透(す)きかげに松千(ち)もとみる有明の月
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
古歌に曰く千(ち)とせぞ見ゆる鏡餅 同
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
千(ち)とせをかけて手に編みぬ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「なーに、千(ち)いちゃん」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは千(ち)とせの一(ひと)かけら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)