“手斧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうな53.2%
ておの29.8%
てうな10.6%
てをの4.3%
トーボル2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きのうまでは、のみ手斧ちょうなの音が屋敷うちにこだましていたが、今日はまたふすまの張りかえやら御簾職人などが、各部屋ごとに立ち働いている。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国手こくしゅと立花画師との他は、皆人足で、食糧を持つ他には、道開き或いは熊けの為に、手斧ておののこぎりかまなどを持っているのであった。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
普請場にはのみや、手斧てうなや、まさかりや、てんでんの音をたててさしも沈んだ病身ものの胸をときめかせる。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
冬曉とうげうはやじよくはなれて斗滿川とまむがはき、氷穴中へうけつちゆうむすべるこほり手斧てをのもつやぶり(このこほりあつさにても數寸餘すうすんよあり)ぼつし、曉天げうてんかゞや星光せいくわうながめながら灌水くわんすゐときの、清爽せいさうなる情趣じやうしゆ
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
一同は、一度背負しょいかけた背嚢をまたおろすと、腰に差していた手斧トーボルを抜き取って、蘇鉄ニルソニアの根元に斧を入れはじめた。用心のために、土工の須田が洞門の出口で張番する役にまわった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)