“まばら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
89.8%
8.2%
1.0%
疎在1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だんだん木がまばらになって、木床きどこ峠へ出る往来が近くなった。右手の前方に、桜島が、朗らかな初夏の空に、ゆるやかに煙をあげていた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
みちは白くぼうとなっていた。右側の畑地はたちの中にまばらった農家は寝しずまって、ちょっとした明りも見えなかった。
雀が森の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
世はようやく春めきて青空を渡る風長閑のどかに、樹々きぎこずえ雪の衣脱ぎ捨て、家々の垂氷たるひいつの間にかせ、軒伝うしずく絶間たえまなく白い者まばらに消えて、南向みなみむきわら屋根は去年こぞの顔を今年初めてあらわせば、かすおい
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ちゃんとわかっているんですかい、おいでなさる先方さきってのは。こう寂しくって疎在まばらでね、うちの分りにくい処ですぜ。」と、煙草たばこ盆は有るものを、口許で燐寸マッチぱっ、と目を細うして仰向あおむいて
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)