“のび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノビ
語句割合
34.3%
25.7%
野火20.0%
5.7%
2.9%
1.4%
忍込1.4%
1.4%
成長1.4%
欠伸1.4%
発達1.4%
1.4%
長生1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(ファウストは依然鏡の中の像を見ゐる。メフィストフェレスは椅子の上にてのびをし、払子を揮ひつゝ語り続く。)
私達は南風に吹かれながら、ふわりふわりと原の上を飛んでいる雲のように足も軽く、のびやかな気持ちで歩みを続けた。
春の大方山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
生物せいぶつのやうにうごめき、きらめき、なめつくす野火のびに燒かれるヒースの山が、リード夫人を呪ひ脅迫けふはくした私の心の状態に、ぴつたり適合するに違ひない。
ハテ品川しながは益田孝君ますだかうくんさ、一あたまが三じやくのびたといふがたちまふくろく益田君ますだくんと人のあたまにるとはじつ見上みあげたひとです、こと大茶人だいちやじん書巻しよくわんを愛してゐられます
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
百樹もゝき曰、唐土もろこしにも弘智こうちたる事あり。唐の世の僧義存ぎそんぼつしてのちしかばね函中はこのなかおき、毎月其でしこれをいだし爪髪つめかみのびたるを剪薙はさみきるをつねとす。
のびやかな道服を纏っていた。それは直江蔵人くらんどであった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
をひの音次郎と心中をする約束で、掛り人のお京といふ娘が出た後、しまりのない縁側から、流しの忍込のびが入り込んで、主人の枕許の手文庫から、三百兩の金を掴み出したところを
のびやかに、ほがらかに、あんら、ゆるやかに
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
万物は成長のびよう成長のびようとしていた。一人城主の肉体ばかりは、破壊に向かって進んでいた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
胸膈きょうかくを前へ出して、右のひじうしろへ張って、左り手を真直にして、ううんと欠伸のびをするついでに、弓をく真似をして見せる。女はホホホと笑う。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
春待つ心は有ながらも、猜疑うたがひ恐怖おそれとに閉ぢられてしまつて、内部なか生命いのち発達のびることが出来なかつた。あゝ、雪霜が日にあたつて、溶けるといふに、何の不思議があらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
最早そこにはあの屹立そそりたつた岩石もなかつた。あのすさまじい濁流もなかつた。危い崖の路もなかつた。渓は唯静かにのびやかに流れた。
山間の旅舎 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
年輩四十幾干いくつ、骨格のたくましい、頭髪の長生のびた、四角な顔、鋭い眼、大なる鼻、一見一癖あるべき人物で、其風俗は官吏に非ず職人にあらず、百姓にあらず、商人にあらず
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)