“せつな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セツナ
語句割合
刹那98.8%
切無0.2%
0.2%
切那0.2%
刹邪0.2%
殺那0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壮大なこの場の自然の光景を背景に、この無心の熊さんを置いて見た刹那せつなに自分の心に湧いた感じは筆にもかけずことばにも表わされぬ。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかもその苦しさ切無せつなさといったら、昨夜ゆうべにも増して一層いっそうはなはだしい、その間も前夜より長くおさえ付けられて苦しんだがそれもやがて何事もなくおわったのだ
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
恐ろしさとにえかねて、跳起はねおきようとしたが、からだ一躰いったい嘛痺しびれたようになって、起きる力も出ない、丁度ちょうど十五分ばかりのあいだというものは、この苦しい切無せつなおもいをつづけて
女の膝 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
はなくちせつなさにへられず、をもがいてくうはらひながら呼吸いきえ/″\におこした、あしつと、おもはずよろめいてむかうのふすまへぶつかつたのである。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
霧雨きりあめのなごり冷ややかに顔をかすめし時、一陣の風木立ちを過ぎて夕闇うそぶきし時、この切那せつなわれはこの姉妹はらからの行く末のいかに浅ましきやをあざやかに見たる心地せり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
火の風にれて家から家に移つて行くいきほひ、人のそれを防ぎねて折々発する絶望の叫喚さけび、自分はあの刹邪せつなこそ確かに自然の姿に接したと思つた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ひょっとしたら鼻はちゃんとあるべき場所ところについているのかも知れないと思いながら、まず眼を細くして恐る恐るのぞいてみたが、その殺那せつな
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)