“すね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
86.7%
7.1%
2.8%
強情0.6%
0.6%
㑃強0.3%
執拗0.3%
0.3%
拗捩0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐藤はその頃筒袖つつそでに、すねの出るはかま穿いてやって来た。余のごとく東京に生れたものの眼には、この姿がすこぶる異様に感ぜられた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頬白ほゝじろなにかゞ菜種なたねはな枯蓬かれよもぎかげあさゆきみじかすねてゝたいのかくはえだをしなやかにつて活溌くわつぱつびおりた。さうしてまたえだうつつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すねるもんじゃあありません、あの方が来ていらっしゃるのに、何が気に入らないで、じれてるんですよ、母様おっかあは知らないよ。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
というのは、この寮監先生、実は時折、手の甲のことで強情すねたりする生徒を、ぴしゃり! とやる罪のない癖があるのだ。そこで、来るなと思ったら、時を測って、ぴょこりとかがむ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
けれども着手の處、着手の處とり詰めて、人々各自が其の志す所の道程に於て或點を認め出した方が妙味が有るで有らう。なんじすねあり、伱、歩むべし、伱、手あり、伱、捉る可しである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
なき御身おんみあはれやとのじやうやう/\ちやうじては、一人ひとりをばあましたたのもしびとにして、一にも松野まつの二にも松野まつのと、だてなく遠慮ゑんりよなくあまへもしつ㑃強すねもしつ、むつれよるこゝろあいらしさよとおもひしが
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ちつとやそつとのやさしい言葉ことばぐらゐではうごきさうにもなく執拗すねぬきしほどに、旦那だんなさまあきれてをばたまふ、まだ家内うち/\言葉ことばあらそひのるうちはよきなれども、物言ものいはずにらふやうにりては
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ある時は牝馬と同じように前足を高く揚げて踴上るさまも見え、ある時は顔と顔をすり付けて互に懐しむさまも見える。時によると、牝馬はつんとすねた様子を見せて、後足で源の馬を蹴る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「何をそう拗捩すねたンだろう? 令慈おっかさんしかられたね? え、そうでない。はてな」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そして、十分位するとがたびしと云う音がして、二人の出て往った処からわかい男がって来た。壮い男は右の方の脚はすねから下がなかった。壮い男はばったの飛ぶようにして長吉の前へ来た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すね立ててこほろぎあゆむ畳には砂糖のこなもに光り沁む
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すね立ててこほろぎあゆむ疊には砂糖のこなもに光り沁む
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)