“けな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケナ
語句割合
75.9%
7.4%
2.8%
非難2.8%
1.9%
軽蔑1.9%
0.9%
嘲笑0.9%
擯斥0.9%
0.9%
0.9%
誹謗0.9%
蹶做0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どう言う破綻はたんを生じますか? 『色や形は正に美しい。が、畢竟ひっきょうそれだけだ』——これでは少しも桜の花をけなしたことにはなりません。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
折に触れて洋楽に対する私の興味を語ると、「洋楽はトッピキピのピだ」と一言にけなしつけた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そして、彼はさらに黒手帳によって、あの物静かなけなげな奥さんが受取人となっでいる二万円の生命保険金は、一人息子の直一を立派に教育していく財産になるのであろうことを知った。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
或は佳作以上で、傑作かも知れん。私は不断紛々たる世間の批評以外に超然としている面色かおつきをしていて、実は非難けなされると、非常に腹が立って、少しでもめられると、非常に嬉しかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『むむ、あの女か——あんな女は仕方が無い』なんてひどけなすじゃ有りませんか。どうでしょう、三吉さん、最早旦那が関係していたんですよ。女は旦那の種を宿しました。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
小説に関する御議論も中々あるらしいやうだ。荒尾君の作などはいつでも骨灰こつぱい軽蔑けなされる、お邸の書斎には沙翁シエークスピーアを初めヂツケンスやサツカレイの全集が飾つてあるさうな。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
私は表へ飛出して、夢中で雪道をすたすたと歩いて、何の買物をしたかも分らない位。風呂敷包を抱〆だきしめて、口惜しいと腹立しいとで震えました。主人をけなすという心は一時にわき上る。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたくし大笑おほわらひにわらつてやらうとかんがへたが、てよ、たとへ迷信めいしんでも、その主人しゆじんうへおもふことくまでふかく、かくも眞面目まじめものを、無下むげ嘲笑けなすでもあるまいと氣付きづいたので
偉い人は之を動物的の愛だとか言って擯斥けなされるけれど、平凡な私の身に取っては是程有難い事はない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「おゝ、けなるいなあ……あの親爺様は私より先に死んだかいなあ……」とお桐は突然泣き出した。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
まあ、十人が十色のことを言つて、けなしたりくさしたりする、たまに蓮太郎の精神をめるものが有つても、寧ろ其を肺病のせゐにしてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
新吉に頭から誹謗けなされると、お作の心はドマドマして、何が何だかさっぱり解らなくなって来る。ただ威張って見せるのであろうとも思われる。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
息子の高輪田長三へ相談しましたけれど長三は一口に伝説を蹶做けなして了いました、其だから彼は此の塔を売る気にも成ったのでしょう
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
京都大学の新村しんむら教授は日本画家の作物さくぶつけなして、画家ゑかきはどうしても本を読まなければ駄目だと言つたさうだ。画家ゑかきに本を読めといふのは大学教授にひげれといふのと同じやうに良い事には相違ない。