“X(エックス)” の例文
まだ、活動写真にならない時分で、無線電信だの、X(エックス)光線だの、避雷針の見本だの、その他、電気に関するいろいろの実験をみせる見世ものだった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
しかし停車場で何の係りをして、どんな事務を取扱っているのか、ついぞ当人に聞いた事もなければ、また向うから話した試(ためし)もないので、敬太郎には一切がX(エックス)である。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
義眼は樹脂(プラスティック)だ。それならば、その義眼を、ここにあるX(エックス)線装置でもって透視(とうし)すれば、いともかんたんに問題は解決する。なぜといって、X線は、樹脂をらくに透すが、黄金は透さない。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼はこのX(エックス)という男について、田口のために、ある知識を供給する事ができると共に、同じ知識がY(ワイ)という女に関する自分の好奇心を幾分か満足させ得るだろうと信じたからである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)