髪床かみどこ)” の例文
髪床かみどこ銭湯せんとう、碁会所、料理屋、人がふたり寄れば鯨の話。江戸じゅうがこの評判で湧きかえる。われも行けかれも行けと、江戸八百八町がこぞってどっと両国へ押しだす。
それは髪床かみどこの鏡よりももっと大きく、天井から床にまで達する大姿見で、幅も二間ほどあり、その欄間らんまにはった重い織物で出来ている幅の狭いカーテンが左右に走っていた。
不思議なる空間断層 (新字新仮名) / 海野十三(著)