上州曽木そき高垣明神たかがきみょうじんでは、社の左手に清い泉がありました。ひでりにもれず、霖雨ながあめにも濁らず、一町ばかり流れて大川に落ちますが、その間に住むうなぎだけは皆片目であった。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)