食国ヲスクニ)” の例文
旧字:食國
食国ヲスクニの政」を預る者は、天上の食料を地上にも作り出して、天神に献る事務を執らしめられるのである。其為事に失敗したのが、すさのをの命であつた。
其が偏つて行つて、神の食国ヲスクニのまつりごとの完全になつた事を言ふ覆奏マツリが盛んになつた。此は神嘗祭りである。
すといふのは、ふの敬語である。今では、すをふの古語の様に思うて居るが、さうではない。食国ヲスクニとは、召し上りなされる物を作る国、といふ事である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天照大神と御同胞でいらせられる処の、月読命の治めて居られる国が、夜の食国ヲスクニといふ事になつて居る。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天つ神のまたしをお受けして、降臨なされて、田をお作りになり、秋になるとまつりをして、田の成り物を、天つ神のお目にかける。此が食国ヲスクニのまつりごとである。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其大部分として、「食国ヲスクニの政」が重く見られてゐた為に、献るの義に傾いたのだ。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)