鞘當さやあ)” の例文
新字:鞘当
「そんな氣のきいた話ぢやありませんよ。いつか話したでせう、薄墨華魁おいらんのことで鞘當さやあてをしてゐる、二本差りやんこと藥種屋の若主人」
果して、吾妻屋永左衞門と、大井久我之助の鞘當さやあては、一應表向きは納まりましたが、二人の心持は執拗しつあうに深刻に、行くところまで行き着いてしまつたのです。
「いえ、そのくせ飛んだ仲好しで、一人がお蝶さんと出來てしまへば、どうなるかわかりませんが、どつちもモノにならないことがわかつて居るから、鞘當さやあてをする張合も無かつたんでせう」
「いづれ面白くない事があつたとすれば、鞘當さやあて筋だらう」