田舎いなかの方でもこの霜月大師講しもつきだいしこうの晩だけは、娘たちが内庭の石臼の側を、こわがって馳けて通ったという話を、たしか越後の人に聴いたように思う。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)