追討ついとうの大将は、高橋三河守時英ときひでと、紀伊の隅田藤内左衛門すだとうないざえもんで、ふたりが大江の北に陣をすすめた次の日、さらに在京の篝屋かがりや武士千余騎が、追っかけの加勢として、両将の下に加わっていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)