鐃鈸にょうばち)” の例文
アフリカの蛮人でくちびるを鐃鈸にょうばちのように変形させているのや、顔じゅう傷跡だらけにしているのがあるが、あれはどうもどう見ても美しいと思えない。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼の目にふれるのは偶像の光栄に浴し偶像の力に充たされたと迷信する愚昧な民衆の歓酔である。彼らは鐃鈸にょうばちや手銅鼓や女夫笛の騒々しい響きに合わせて、淫らな乱暴な踊りを踊っている。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)