ケーブル)” の例文
と彼に、左舷四、五十ケーブルの辺に異様なものが見えるのだ。環礁アトールのようだが色もちがい、広茫水平線をふさぐに拘わらず、一本の椰子もない。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし、それはただ眼先だけのことで、はや四、五ケーブル先はぼうっと曇っている。そして、煙霧のかなたからごうごうと轟いてくるのが、「太平洋漏水孔ダブックウ」の渦芯の哮りか……。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)