野卑陳套やひちんとう)” の例文
常に宇宙の深遠なる悲愁、神秘なる歓楽を覚ゆるものから、当代の愚かしき歌物語が、野卑陳套やひちんとうの曲を反復して、たとへば情痴の涙に重き百葉の軽舟、今、芸苑の河流を閉塞へいそくするを敬せざるのみ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)