日本橋、通旅籠町とおりはたごちょうの家持ちで、茶と茶道具一切いっさいあきなっている河内屋十兵衛の店へ、本郷森川宿じゅくの旗本稲川伯耆ほうきの屋敷から使が来た。
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あくる朝になっても忠三郎は顔をみせないので、半七は日本橋辺へ用達しに行った足ついでに、通旅籠町とおりはたごちょうの河内屋をたずねると、忠三郎はすぐに出て来た。かれは気の毒そうに云った。
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)