退嬰主義たいえいしゅぎ)” の例文
敬太郎けいたろう須永すながという友達があった。これは軍人の子でありながら軍人が大嫌だいきらいで、法律をおさめながら役人にも会社員にもなる気のない、至って退嬰主義たいえいしゅぎの男であった。少くとも敬太郎にはそう見えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)