輓馬ひきうま)” の例文
運送店の前にはもう二台の馬力があって、脚をつまだてるようにしょんぼりと立つ輓馬ひきうまたてがみは、幾本かのむちを下げたように雨によれて、その先きから水滴が絶えず落ちていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
亡くなったカプルンツェフ老人は輓馬ひきうまを五対も持っていて、町じゅうに荷馬車を出していましたが、婆さんもその稼業を継いで、馭者の取締りにかけては故人に劣らぬ腕前でした。
女房ども (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)