軋音きしみ)” の例文
足もとで軋音きしみを立てる雪の上へ駈け出させようと、誘惑するもののやうに、家々の窓をばそつと覗き込んでゐるだけであつた。
珍しく風もなく晴れた日で橇の滑金すべりがねの下ではキシキシキシと心よい軋音きしみと鈴の音が針葉樹の壁の中を後ろに流れて行った。
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)