躑躅ツツジ)” の例文
早く、躑躅ツツジの照る時分になつてくれぬかなあ。一年中で、この庭の一番よい時が、待ちどほしいぞ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
後年郷里に住むやうになつてから、その模型は庭の躑躅ツツジの蔭の平たい石の上に置かれてゐた。
こんな事をして居る中に、早一月も過ぎて、桜の後、暫らく寂しかつた山に、躑躅ツツジが燃え立つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山の躑躅ツツジの色は、様々ある。一つ色のものだけが、一時に咲き出して、一時にシボむ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
耳近く鳴く鶯は 篶のなか 青き躑躅ツツジの 時に立ち居る
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)