越前永平寺えちぜんえいへいじ奕堂えきどうという名高い和尚おしょうがいたが、ある朝、しずかに眼をとじて、鐘楼しょうろうからきこえて来るかねに耳をすましていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)